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「画像生成はやらない」Anthropic日本法人トップが語る法人特化AIの勝ち筋

Anthropic Japan代表の東條英俊氏が語る、画像生成をあえて行わない戦略と、日本市場での法人向けAI展開の方針。安全性と信頼を最優先する独自路線を解説。

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「画像生成はやらない」Anthropic日本法人トップが語る法人特化AIの勝ち筋

生成AIブームが過熱する中、OpenAIやGoogleの競合として注目を集めるAnthropic。その日本法人トップの口から出たのは、加熱する機能競争とは一線を画す冷静な言葉だった。

「画像生成はやらない」という明確な選択

Anthropic Japan代表の東條英俊氏は、Business Insider Japanの取材に対し、「画像生成はやらない」「短期的な収益は求めない」と明言した。多くのAI企業がマルチモーダル化や派手なデモでコンシューマーの関心を引こうとする中、Anthropicは徹底して「法人向け(B2B)」と「安全性」に軸足を置く。

東條氏は画像生成を行わない理由について、次のように説明している:

  • 安全・安心の観点 - 「できないのではなくやらない」という明確な意思決定
  • 一人歩きのリスク - 生成された画像が人間によるものかAIによるものか区別が難しく、有害となる可能性がある
  • 法人ニーズとの乖離 - 企業がビジネスで画像生成を使う必要性への疑問

Microsoft、Google Cloud、Snowflakeを経た経営者

東條氏は、MicrosoftやGoogle Cloud Japan、そしてデータプラットフォームのSnowflake日本法人代表を歴任してきた経歴を持つ。6年間のSnowflake在籍を経て、データとAIの密接な関係性を実感し、Anthropicへの参画を決めたという。

日本社会には特に「安心・安全なAI」が受け入れられると考え、データ・AIという観点から日本企業のAI活用を支援することを目指している。

日本市場での急成長

Anthropic Japanと東京オフィスの設立は、日本での急速な成長が背景にある。楽天グループ、野村総合研究所(NRI)、パナソニックなどがすでにClaudeを導入し、業務効率化を進めている。

Anthropicによると、アジア太平洋地域全体での年間経常収益は過去1年間で10倍以上に成長。2025年8月に日本法人を立ち上げ、10月には東京オフィスを開設した。来日したダリオ・アモデイCEOは高市早苗総理大臣と会談し、AIセーフティ・インスティテュートとAI評価に関する覚書を締結している。

法人向けに特化する理由

東條氏は、コンシューマー向けサービスについても興味深い見解を示している。Anthropicもコンシューマー向けサービスを展開しているが、実際のユーザーのほとんどは「企業内の個人」だという。特にClaude Codeについては、「会社が契約してくれないから、自分でやっちゃえ」とMaxプランを個人契約するユーザーが多いとのこと。

中長期的な信頼関係の構築

東條氏は今後の方針について、「短期的な戦略よりも、中長期にわたって日本の企業と信頼関係を築いていくことを最重視している」と語った。

日本では労働人口の減少と高齢化が進む中、企業は生産性向上を求められている。Anthropicは「少ない人数でいかに多く生み出すか」という課題に対し、AIの活用を突破口として提案していく方針だ。

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