Metaは2025年12月29日、中国のAIスタートアップManusを買収すると発表しました。これはテック大手がAI投資を戦略的買収や人材獲得を通じて加速させる動きの一環です。
Manusとは
Manusは北京Butterfly Effect Technology Ltd Coの一部で、シンガポールに拠点を置くAIスタートアップです。同社は汎用AIエージェントを開発しており、以下の特徴を持ちます:
- デジタル従業員として機能: 人間の指示を最小限に抑えながら、自律的にタスクを実行
- リサーチと自動化に特化: 複雑な調査業務やワークフローの自動化を得意とする
- OpenAI DeepResearchを超える性能を主張: 今年初頭のローンチ時に、競合を上回るパフォーマンスをアピール
Manusは今年、X(旧Twitter)上でユーザーのタスクを無料で実行するデモを行い、その能力を実証することで注目を集めていました。
Metaの戦略
買収条件は公開されていませんが、MetaはManusサービスの運用と販売を行うとともに、以下への統合を予定しています:
- Meta AI: コンシューマー向けAIアシスタント
- ビジネス製品: 企業向けソリューション
今年6月にはScale AIへの投資を完了し、データラベリングスタートアップを290億ドルで評価。28歳のCEO、Alexandr Wangを迎え入れました。今回のManus買収は、Metaがエージェント型AIへの取り組みを本格化させていることを示しています。
AIエージェント競争の激化
2025年は「AIエージェント元年」とも呼ばれ、各社がエージェント機能を強化しています:
- OpenAI: Codex、DeepResearchなどエージェント機能を拡充
- Anthropic: Claude Codeやcomputer useでエージェント領域をリード
- Google: Geminiのエージェント機能を強化
Metaは大規模言語モデルLLaMAをオープンソースで公開し、AI民主化を推進してきましたが、Manus買収によりクローズドなエージェント技術も取り込む形となります。
規制環境
中国企業の米国テック大手による買収は、地政学的な緊張の中で注目を集めています。Manusがシンガポールに拠点を置いている点が、この取引を可能にした要因の一つと考えられます。
今回の買収は、AI業界における中国発イノベーションの価値と、グローバルな人材・技術の獲得競争を象徴する出来事と言えるでしょう。